この記事では
メタバースを始めたいけど、だまされたり危ないことがあるの?
始めるにあたって何に気を付ければいい?
という方に向けて、メタバースを始める上で気を付けなければいけないこと、注意点を解説します。
メタバースでどのような問題が発生しているのか?対策はどのようにすればよいのか?について一緒に学んでいきましょう。
メタバースでの問題点とその対応策は以下の通りです。
著者はメタバースのアイテムクリエーターとして仕事をしています。メタバースで関わる中で、自身も詐欺にあいそうになったり、VR酔いに悩まされたり、様々な経験をしてきました。
本記事で紹介している注意点は、首相官邸や各種組織から発表されている資料と著者自身の経験を合わせて記載しています。
どの分野でも詐欺や問題はありますが、あらかじめ内容を知っておけば、いざというときに冷静に対応することができます。
本記事を読み終わる頃には、メタバースで被害者もしくは加害者にならないための基本的な知識を身に付け、安心してメタバースを楽しめるようになります。
メタバースの始め方についてはコチラを参考にしてください。
概要
急速な発展をしているメタバースですが、中には、「危ない、不安」という印象を持っている方も多いと思います。確かに法律の整備がまだ整っていない印象はありますが、現在メタバース(仮想空間)の問題に関しては首相官邸、総務省、国民生活センターなど多くの組織で議論がなされています。順次法律面でのサポートも充実していくものと想定します。
本記事では、現在起こっている、メタバースに関係した問題とそれに対する対策をまとめました。中にはメタバース特有のものも含まれています。
必要以上に注意する必要はありませんが、最低限の知識を身に付けて、安全安心にメタバースを楽しんでいきましょう。
本記事を作成する際に使用した参考資料は以下の通りです。
発行元 | 資料URL |
首相官邸 | メタバース空間内において生じ得る問題事案等とこれへの対応 |
国民生活センター | 特集 仮想空間ビジネスをめぐる諸問題 |
総務省 | 仮想空間の法律問題に対する基本的な視点 |
なりすましアバター
内容
メタバース内でイベント運営者や有名人のアバターになりすまし、パスワードなどの個人情報を聞き出します。
運営者や有名人のIDそのものが乗っ取られている場合もありますし、そっくりのアバターで似たような名前のアカウントで近づいてくる場合もあります。
対策
メタバース内部でもパスワードやウォレットの秘密鍵の番号を他人に教えてはいけません。
「NFTをプレゼントするから教えてほしい」といった言葉には注意しましょう。
加えてメタバース内では誰が聞いているか分かりませんので、全ての人が聞いているという認識で会話を行うほうが安全です。
アカウントの乗っ取り
内容
メタバースでもアカウントの乗っ取りが起こります。
自分のアカウントが乗っ取られ、NFTや個人情報が流出します。もしくは、周りの人のアカウントが乗っ取られ、それに気づかずに自分が被害を受ける場合もあります。
対策
自分のアカウントが乗っ取られるのを防ぐには、パスワードの使いまわし、不特定多数の人が使う端末でのアクセス等を行わない、ログイン認証を2重ログインなどに設定しておくなどが有効です。
一方で、周りの人が乗っ取られているかどうかを判断するのは難しいので、普段からパスワードや個人情報を教えないようにしましょう。
メタバース内でのハラスメント・ストーカー
内容
メタバース内で付きまとわれたり、不快なことを言われたり、現実社会でいうハラスメント行為がメタバース内でも発生します。
また、自分では意図していなくとも自身が加害者になってしまう可能性もあります。
特にアバターに関しては現実の自分とそっくりなものを使っている方もいます。そのようなアバターに対して外見について不適切な言うと、受け手は自分自身が言われたことと受け止める場合もあります。
対策
自身が被害にあった場合はミュートやブロック機能を使いましょう。運営側への相談も視野に入れて対応していく必要があります。
自身が加害者にならないためには、メタバース内であっても現実社会と同じようなふるまいを行う必要があります。アバターに関しても相手がどれだけ思い入れがあるのかは判断できませんので、批判につながる意見は避けるようにしましょう。
ウォレットの不正アクセス
内容
偽アカウントや偽サイトを使われたり、公共のWifiからデータを盗まれるなどによって、ウォレットの秘密鍵の情報が流出します。
対策
2段階認証を設定する、公共Wifiでウォレットにアクセスしない、普段使うウォレットと資産を保管しておく用のウォレットを使い分けるなどが有効です。偽アカウントや偽サイトはフォロワー数やURLなどを確認することが必要です。
VR酔い
内容
VRを長時間付けていたり、動きの激しい画面をVRで見ることで生じます。
医学的には様々な意見があるようですが、よく言われているのが、「体の感覚と目の感覚がずれていることで自律神経が乱れる」ことが原因ではないかということです。
著者自身もVR酔いしやすい体質です。
対策
対策としては下記のようなことが挙げられています。
・瞳孔間距離を知り、自分に合ったレンズの距離を設定する。
自分の瞳孔間距離(IDP)を知っている人は多くないかもしれません。眼鏡の購入時などに計測するなどが一般的です。物差しと鏡があればおおよその値は計測できます。著者の場合は眼鏡購入時に計測したので把握できています。日本人男性の平均距離は64mmとされています。
・VRに少しずつ慣れていく
長時間行うのではなく、短時間を繰り返しながら慣れていく方法です。VR酔いが発生する前に休憩し、再開するということを繰り返します。著者もこの方法で少しずつ慣れてきました。
・VRを使わない
多くのメタバースではPCの画面でも操作ができます。動きの激しいゲームや現実世界ではありえないようなワールドを歩くときにはVRをあきらめてPCで操作することも時には必要です。
著者は慣れていくことでVR酔いは少なくなりましたが、それでも起こる場合はVRを使わないという選択を行っています。
法律の未整備
内容
メタバース、NFT等のWEB3技術全般的に、法整備がまだ追いついていないのが現状です。
ウォレットの不正利用、メタバース内での詐欺、ハラスメントなど、特にメタバース特有の問題については、当面の間、違法か否かの線引きが難しい状況が続く可能性があります。
対策
現状は、個人でリテラシーを高めていく必要があります。本記事の内容や他サイトの注意点等を学んでいきましょう。
メタバース通貨、土地の価格変動
内容
メタバースの通貨や土地の価格は大きく変動します。投資目的で保有している方も、メタバースで遊ぶために保有している方、ゲーム報酬として保有している方、全てに影響があります。
The sand boxとDecentralandのメタバース内通貨の価格変動を下図に示します。
1年で5倍から10倍近くまで変動していることが分かります。
タイミングが良ければ増えることもありますが、悪ければ減ることになります。
「報酬でもらったメタバース内通貨を放置していたら、価格が値下がりしていた」ということも起こります。
対策
メタバース内通貨や土地の価格推移を定期的に確認しましょう。将来の価格の予想は非常に難しいので、自分が納得できるタイミングで日本円など価格変動の少ない通貨に変換しておくことをおススメします。
メタバースに乗じた偽アカウント詐欺
内容
メタバース関連のお得な情報、限定のNFT取得権利などをネタに、有名人のアカウントになりまし、個人情報を抜き取ろうとします。
Twitterなどでよく行われている手法です。
著者は被害にはあっていませんがなりすましアカウントから月に数回は連絡が来ます。
対策
Twitter等のSNSであれば、フォロワー数を確認することで、大体の場合は偽アカウントか否かの判断がつきます。ただしフォロワーを購入し多く見せることも可能ですので、できれば誰がフォローしているかまで確認するようにしましょう。
また、日ごろからSNSで個人情報を開示しないことが重要です。個人情報を聞かれたらあやしいと思うようにしましょう。
著作権、肖像権の侵害
内容
自分が作成したアバターやNFT作品が、他の人に真似をされる場合があります。
一方で気を付けなければいけないのは自分自身が著作権を知らず知らずのうちに侵害してしまう場合です。有名人のアバターを勝手に作る、他の人の作品をコピーするなどして、後々大きな問題にある可能性があります。
対策
メタバースに関わらず、コンテンツ作成時に著作権に注意する必要があります。イラスト等と同じです。クリエーター活動を行う場合は、著作権に関する一般的な知識は身に付けておきましょう。
著作権についてはコチラのサイトが参考になります。
まとめ
この記事ではメタバースを始める上で注意すべき点を説明しました。
詐欺や犯罪は日進月歩であり、ここで記載した以外の手法もどんどん増えていきます。
何かおかしいと思ったら一度立ち止まってみる、詐欺や犯罪があるという前提を認識しておくということが大切です。
最後までお読みいただきありがとうございました。本記事に記載の内容に注意をしつつメタバースライフを楽しんでいきましょう。
メタバースの始め方はコチラの記事を参考にしてください。
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